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ひんやり感

ブログです。

私怨(カット版)

作文
私はドアを開けて外に出た。外は薄暗く狭い通路だった。あまり長くない通路だという事が分かった。突き当たりの天井から光が差し込み、その光めがけて梯子が掛かっているのが見えたからだ。私はそこまで歩いていって、梯子を上った。梯子は鉄製でひんやりと冷たく、赤茶けて錆の臭いがした。外へ出ると、そこはA駅南口の駅前通りだった。私はマンホールから出て来たらしい。私は携帯端末で自宅への経路を調べて、駅の改札に向かった。マンホールから這い出て来た私の存在を気に留める者は一人も居なかった。風が紫陽花の香りを運ぶ六月の昼で、空は仄かに晴れていた。

日記

日記
嫌な人というのが居るもので、彼や彼女は頭のてっぺんから足の先まで何の役にも立ちやしない、というか有害な存在である。しかし連絡先を消すと、万が一電話がかかってきた時にそれと気付かず出てしまう恐れがあるし、かと言って着信拒否をするのも俺のような臆病者にはいまいち気が引ける。そこで俺は、アドレス帳に登録してある彼や彼女の名前をアルファベット一文字に変更することにした。こうする事によって俺は相手が一個の人間であることを忘れ、心置きなく連絡を無視することが出来るようになった。それで最近は気ままに暮らしているのだ。

今日は昼に激辛料理を食べて、完全に腹を壊した。トイレットペーパーに火がついてしまうんじゃないかと思ったが杞憂に終わった。今はケツからホットミルクを飲みたい気分だ。

飲食店でメニューを開いて辛そうな料理を見つけると、何故か反射的に注文してしまう。スピーカーと鼓膜をくたばらせる類の音楽の愛好家と同じようなものだ。辛いものを食べると大抵それなりに後悔するのだけど、数日すれば同じ過ちを繰り返す準備が万全に整っている。痛みを忘れてしまうのだ。愚かなものだ。辛党の人間というのは己の過ちを正す能力が低いものなのかもしれない。

観れなかったファッションショーの感想

日記
出かけるのが遅くて、友達の文化祭のファッションショーを見逃してしまった。

会場の入り口にいた運営の方がくれたカタログを見ると、友達はモデルとしてこのファッションショーに参加していたらしい。カタログには何やら数奇な服を着た人たちの写真が載っていて、それぞれの写真にはその服の製作者が書いたと思われる説明文が付いている。血の気の多い、少し気取った文章で、というと悪口みたいになってしまうが、自由で勢いのある人々が集まっているように思えて、俺はそれを素敵なことだと思ったのだった。この人達が音楽に合わせてステージを歩き回るのを観たら、きっと楽しかっただろう。作った服を誰かが着ることや、誰かが作った服を着てかっこよく歩いたりすることは、やる側にとっても楽しいのに違いない。観れなかったことが残念だった。

新宿はビルがいちいちでかくて、谷底にいるみたいな気分になるから嫌いじゃない。駅の柱の陰で肥った狐みたいな男が女を抱き寄せているのを見た。

アルバイトのショート・フィルム

作文
アラームの音楽はジャクソン・C・フランクの「ブルース・ラン・ザ・ゲーム」だった。iPhoneのバイブレーションは耳に障るが、目覚ましなのだからそれでいいのだろう。私は眠りから這い出し、緑のシャツに袖を通した。眼鏡をかけると、指先が動かせる程度には目が醒める。私の指先は死にかけた小動物みたいにぴくぴく動く。寝癖直しのスプレーをして家を出た。秋らしく冷たい朝だった。6:28の電車に乗ると、7:45に現場に着いた。

それから18:00まで、都内某所のコールセンターでアルバイトをしていた。派遣の日雇いバイトだ。京都に住んでいるごつごつ声のお婆さんは「よろしですね」と言って電話を切った。その日最後に電話を掛けてきたおばさんは、「疲れているんですか?」と私に訊いた。「ああ、そうですね。少し疲れているかもしれません。疲れてるように聞こえますか?」「いえ、そういう訳では無いんですけどね。朝からいらっしゃるんでしょう」「そうですね、だけど人とお話しすることは好きなので」「それから、お若いんですか?」「二月で二十二歳になります」「そうでしたか。息子と同い年です。頑張ってくださいね」「ありがとうございます」

帰りがけ、自宅の最寄り駅の改札の中にある書店に立ち寄った。その日は鞄に本を入れ忘れていて、手寂しい私は何か手頃な文庫本を一冊求めていたのだが、面白そうな本は一冊も見つけられなかった。私は「これならツイッターフェイスブックを眺めている方がまだマシなのではないか」と思った。ツイッターを眺めながら書店を後にした私は改札を出るとスーパーに立ち寄ってビール(のようなもの)を買った。それから自宅とは反対の方向に向かって歩きだした。夕暮れの暗い明かりを含んだ雲が夜へ去っていく。私はその雲と肩を並べて歩いている。十分後、私は自販機の傍らにビール(のようなもの)の空き缶を置葬する。辺りは子供の手の中に握られたみたいに暗くなっていた。

海外の夢 第2回

夢日記
夢日記ツイッター的な海外SNSから、ウケるな〜と思った夢を訳したもの。ちなみにそのSNSはけっこう過疎ってて、何故か女性ユーザーしか居ない。


シェリー

私の自撮り棒は実は魔法の杖だったの。それをそこら中で振り回しながら、でたらめな呪文をたくさん唱えて、みんなを恐がらせた。

エリン

小さい女の子の三人組が沢山のヘビに襲われてて、私は絶望してた…なんなのよ!


selfie stick  自撮り棒
was actually 〜  実は〜だった
random  でたらめな
bunch of  めっちゃ大量の
freaking 〜 out  〜を恐がらせる
Wtf what the fuckの略。なんなんだよ!とかマジかよ!という感じ

駄作(夢日記)

夢日記
友達の父親の家に行くと想像を絶するほど乱暴な人間であることが垣間見えて、二度と行きたくないな、と思う。俺はいちいち刺されそうになる。結局なんとか外に出ることができるが、わけのわからない交渉をしなければならなかった。

火炎放射器などを使って逃げ惑う沢山の人を殺す狂った男から俺も逃げていた。自転車に乗って公園に行くといたずらの好きな子供達がいた。子供達に助けてもらって、男とスーパーに居る。男はバイクに乗って商品陳列棚の上を走っているが警官に射殺される。

海外の夢 第1回

夢日記
夢日記ツイッターとでも言うべき海外SNSアプリを発見し、アカウントの作成に成功した。俺は貧弱な英語力とグーグル翻訳で海の向こうの人々の夢を読んでいる。面白かった夢を翻訳して、ついでに英語の表現もメモる。何故かよくわからないけど、女性ユーザーしか居ない。俺は登録しちゃだめだったのかな?……


ケーラ

わきの下からちっちゃい草が生えてくる夢を見た。

カタリーナ

すべての大嫌いな人達とパーティーをしてる夢を見た。私はみんなに対してとても失礼な態度を取っていた。だけど何故だかとても満ち足りた気分になった。


スピード違反で警官に止められたが、警官は酔っ払っていて、じゃんけんで勝ったら私を離してくれると言い出した。私がじゃんけんで勝つと、「じゃあ、今度はマルバツゲームね」と言って、チェッカー盤と駒を持ってきた。私はいらついて目を覚ました。(笑)

armpits わきの下
but for some reason だけど何故だか
pull over 警察が車を停めさせる
Tic Tac Toe マルバツゲーム