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ひんやり感

ブログです。

五月のある日

五月のある日、僕は友達と一緒に学校をさぼっていた。何かくだらないことを話していて、時間はゆっくり流れた。学校から少し歩いたところにある公園に居た記憶があるから、天気は曇りか晴れで、しずかな昼だった。やがて友達は学校に戻り、僕は家に帰った。

学校から逃げ出すとき、僕はいつも、そうすることで自分が自由になれると信じていた。けれど教室に居る時の押しつぶされそうな気持ちは僕の部屋の中まで入り込んできて、僕は腐った風に吹かれたように無気力になってしまうのだった。鞄を部屋の隅に放って上着を脱ぎ、ベルトを外すと、何もせずに眠った。

昼寝をするとよく夢を見た。とりとめのない映像はいつも色褪せていた。夕方、僕はそこに心を置き去りにしたまま目を覚まして、一日の残りを過ごした。夜は眠れないことが多かった。そんなときは何をするでもなく、ただ布団の中でぼんやりしていた。そして夜明けが近づいてくるとまた眠った。もう夢を見ることもなく、眠りに落ちていくときは、自分がすっと消えていくような感じがした。

目覚ましのアラームがなると、僕は透明で温かい眠りの世界から引き剥がされて、不快な気持ちで起床した。少し寝ぼけながら粗雑な弁当を作って、それを鞄にいれると家をでた。鞄が重くなるのが嫌で教科書は持たなかった。その代わり、制服のポケットの中に音楽プレイヤーを忍ばせた。学校で教わりたいことなど一つもなかったし、それでよかった。休み時間になるとトイレにこもって音楽を聴いた。時々は授業がはじまってもそのまま聴き続けた。そうして僕は自分を調整した。