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ひんやり感

ブログです。

星に関する報告

作文

真夜中の教室はしんとしている。僕は窓際の席に腰掛ける。教室は暗いが、窓辺は月光に明るんでいる。僕は窓の外を見る。夜空は澄みきっている。星はビー玉のようにふくらんでいて、飴玉のように見える。僕は窓をあけて、そのうちの一つを手にとる。星は冷たい。神様にばれなければいい、それに神様はきっと居ないだろう、と僕は思う。夜空は星一つぶん暗くなる。握りしめた手の指の隙間から、夜明け前のような弱い光が幾筋も漏れている。その光線は美しく、僕は心を奪われる。また、時折光の粒が床に零れ落ちると、ぽた、と水のような音をたてて、そこにほのかな光を拡げる。

そのうちに時が流れる。光線を眺めているうち、たくさんの光が零れて、暗い教室には夜明け前のような弱い光が低く沈みこんでいる。光は静かに沈滞し、音のない音楽のようにたゆたっている。足下が春先の小川のようにひんやりと冷たい。それは心地のいい感覚だ。僕は夢の中で醒めていて、ここにある何もかもをはっきりと感じ取ることが出来る。

再び時が流れる。夜明けが迫り、光は空に帰っていく。いつの間にか光線は消えてなくなっている。手を開くと夜明けの花がある。すべての星はもともと、このような夜明けの花であったのかもしれない。