ブログ

ブログです。

クソヤバ警官から逃げる夢を見た

夢日記

 

22時過ぎに職場に戻った。クリーンな職場なので普段ならこんなことは絶対にないのだが、本日中に自宅に持ち帰って終わらせなければいけない仕事が発生してしまった。その上、仕事に必要なメモリースティックを自分のデスクに忘れてきてしまったのだ。職場敷地内の駐車場に車を停めて、私は事務所へ歩いた。入り口のあたりに、パトカーが一台停まっているのを見つけた。気にせず中に入ろうと思ったが、入り口の靴箱のあたりで同僚の眠川が二人の警官に囲まれていた。私は少し遠くからそれを観察することにした。眠川?地味な奴で、悪いことをしそうな奴ではない。何かトラブルに巻き込まれたのだろうか、と思ってみていると、眠川は警官の隙をついて逃げ出そうとした。一人の警官がいとも簡単そうに眠川を捉えた。片腕で眠川を背中側から締め上げている。もう一人の警官は拳銃を取り出した。そして拳銃にサイレンサーを装着した。眠川は「助けて!」と叫んだ。恐怖で声が出なかったのだろう、それは私にしか聞こえないようなささやかな声量だった……それから警官が銃を撃って、眠川は多分死んだ。眠川はパトカーの中へと運ばれていく……私は警官と目が合った。見てはいけないものを見てしまったような気がして、私は急いで車に戻った。エンジンをかける。二人組の警官が小走りでこちらに近づいてくる。アクセルを踏む。警官は私の進路を妨害する位置に回り込もうとする。私はそれをかわして正門を出て、急いで家に帰った。交差点を右折してからしばらく直線の続く道があった。その道を曲がるまでバックミラーにはパトカーが映ったり見切れたりしていた。後をつけられていたのだと思う。その直線道を走っているとき。背後の交叉点を曲がらずに直進していくパトカーがバックミラーに映った。逃げ切ることが出来たと思った。何もかも運でしかない。しかし、ナンバープレートを控えられたに違いない、と思った。自宅についたのは23時頃だったが、これは仕事どころではないのではないかと思った。私はスーツから私服に着替えて家を出た。ウィンドブレーカーのフードを深く被って、表通りを避け、三十分ほど掛けて最寄り駅まで歩いた。そこから電車にのって、首都郊外の中では中程度に発展している街のある駅で降りた。それから商店街の奥の方へと当てもなく歩いた。ラブホテルかどこかに一人で無理やり泊まろうと思っていたが、ジャズ喫茶という看板を見つけて、気晴らしにと思って中に入った。「3000円です」マスターに言われて私はチャージ料を支払った。酒でも飲んで気を落ち着けたかったが、何かから逃げる必要のある時に酒など飲んでいては頭が曇ってしまうのではないか、と思い諦めた。ステージにピアノやドラムが置いてある。客は十人以上は居そうだ。皆常連なのか、雑談をしていて仲がよさそうに見えた。様子を見ていると、私の隣に座っていた青年が話しかけてきた。「ルービックキューブ、やる?」私は青年からシャッフルされたルービックキューブを受け取った。「一面ずつ揃えていくんだよ」と青年が言った。「知ってる。昔やったことがあるから…」「なんだ、それなら簡単だね」「でもなんて言うのかな、揃えるための定石になってる手順を忘れてしまったんだよ」私がルービックキューブで遊んだのは小学生だった頃、今は昔だ。「そうなんだ」青年は言った。「でも、またすぐ思い出せるんじゃない?」「そうかもね」私は言った。マスターが客席側の証明を落とした。セッションがはじまった。ピアノの椅子に腰かけて文庫本を読んでいた男がそれをジャケットに仕舞って、左手でいくつかの和音を鳴らした。私の隣にいた青年は低いステージに中央から乗り込んで、ブラシでドラムを揺らし始めた。ピアノの男の和音にスネアの摩擦がちょっかいを出しているようだ。ピアノの男はそれを払いのけるように右手で一つのノートを素早く連打した。ドラムの青年はそれを予期していたかのようにスネアを鋭く叩いた。ピアノの男は何もなかったかのように次の和音を弾いた。マスターがステージに上がってウッドベースを弾き始めた。このようなセッションが一時間半ほど続いた。客たちは時々拍手をしたり、どこからかトランペットを持ってきて順々にソロを回したりしていた。プレイヤーの集まる店だったのだろう。セッションがひとしきり終わった後、マスターが非常に和やかな面持ちをしていた。私はそれを見て何かを直感し、どういう訳か彼に頼んでみよう、という判断をした。「すみません」「はい」「演奏、素晴らしかったです」「ありがとう、まあ、楽しんでやってますよ」「あの…私をここに泊めてくれませんか?」「なんですか?」「事情があるんです」私は警官が同僚を殺すのを目撃し、そこから逃げてきたのだ、ということを話した。今の世の中では恐らく私は指名手配犯となり、すぐに口を封じられてしまうだろう、と。「なるほど」マスターが言った。「じゃあね、二階で寝ていいよ」「本当ですか、恩に着ます」「それから飯も気にしないでいいです。料理を一人前多く作るだけだから」「ありがとうございます。二階のどこで寝ればいいですか」「奥の部屋の、壁の穴の裏に空間があるから、そこで寝ていいよ。ノミとかダニとか、大変かもしれないけど」私は二階に上がって壁の穴を見つけた。それは中学生ならもう少し簡単に潜れるだろうという大きさの穴だった。私はそれなりに体格が良かったのでなかなか難儀したが、なんとかしてそこに入った。壁の裏には二畳ほどの空間があった。マスターがやって来て言った。「今余ってる毛布を持ってくるから、それでなんとかしてね」「はい、分かりました」ひとまず、壁の穴での生活が始まった。私はどうすれば生き延びて逃げ切れるのか見当がつかなかった。二畳の暗がりの中で呼吸をすると、埃と壁の防火剤か何かの臭いが肺を満たしていった。