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土曜日の朝、J dillaの「Donut」を聴きながらだらだら書いたメモ

J DillaDonutを聴く。さっきからなんとなく聴いているこれは一体なんなんだろう?とりあえず、起承転結みたいな作り方はされていない気がする。これは物語ではなく、おそらくシーンなんだろうと推測する。聴いていると、サンプル間のコール&レスポンスを見つける。何かの会話が発生しているものとして聴くことができる。ドラムの音が柔らかい。ぐりぐり押し込んでやろう、というテンションの作品ではないのだろう。よく分からないぶつ切りのものがひたすらに並んでいる、というような音が聞こえる。時々強弱が変わったりするけど、割とテクノ的というか、アンディーウォーホルの缶詰の絵みたいな、なんでそれを選んだのかよくわからんものがめちゃくちゃ複製されている、という印象がある。なんとかニュース!とかなんとかワックス!とか聞こえてくる。そもそも、英語をまったく理解していない人間がこれを聴いても仕方がないのかもしれない、と思い始める。何かの記事で、Jディラは歌詞が違う意味になるような音の切り方を意識的にやるような人だ、と読んだ。おれにとってはそれが英語であるとき、文学的側面は理解不能で、そのサウンドしか享受できない、というのが残念で仕方ない。とりあえず聴く。だんだんつかめそうな気がして来た、というところで次の曲になる。自分の寿命を感じながら制作していたのかと思うと合点のいく展開だけど、それは都合のいい解釈に過ぎない気がする。ここまで聴いて思ったのは、これはなんだかわからなくて、これはなんなんだ?という感想をなるべくメモしておこう、と思わされるところがある作品だということだ。これをクラシックだと言って褒めている人達は、昔でいうと発売当初にペットサウンズを絶賛したような人達なのかな?だとしたら、自分の感性は到底そこに追いついていないわけで、何かを刷新しなければいけないな、と思う。そもそも、ドビュッシーがすきです(しかもニワカ)みたいなだけの人間として、刷新もクソも無い気がしてきたので、それはもうあきらめることにする。いや、でもそれはドビュッシーに失礼な気がするのでがんばります。ヘッドホンで聴いているけど、これはヘッドホンで聴くべき音楽だな~これで聴いててよかった、という感じがする。音楽の中には、ヘッドホン(ヘッドフォン?なんでもいいから今からヘッドフォンて書くことにしよう)で聴くことを推奨されている気がしてならないものというのがあり、「Donut」もその一つに数えていいと思う。セクシーなお姉さんの声(としか言いようがない)が聞こえてきてビートが減速する謎演出。煽情的な訳では無くて、何か心地のいいものとしての表現な感じがする。次の曲は、そこを繰り返すんだ?と思う謎のループにその他の要素がコラージュされていく感じ。やはり訳も分からずに終わる。さっきから「分からない」しか書いてない気がするので、ここまで読む人がいたらごめんなさい、と思う(じゃあ公開するなという話ですが)。歌唱の終わらせ方みたいな部分を延々繰り返す曲を聴いた。次の曲はレイモンドスコットみたいなフューチャラマ的音源の引用から始まったが、あっという間にデトロイト的なものに浸食されてしまった。黒人という立場に居て、この引用されてる華々しい白人ポップスみたいなものはどう聞こえるんだろう、と思う。黒人といっても千差万別なのはそうだけど、なんとなく黒人という立場を踏まえたらおれが聴いているのとは違う聴こえ方をするんだろうなと思う。それを言ってしまえば、リスナーの置かれている立場によって音楽はどんなものとしても解釈されうるよな、と思う。京アニ放火犯の証言を思い出す。どんな作品をどんな奴がどう解釈するか、ということには、良くも悪くも無限の組み合わせがある。なんかリコーダーの音が聞こえる謎ループの曲。子供っぽい叫び声がずっとなっていた。小学校っぽいな、こうして書いてみると。これはたぶん小学校についての曲でした(たぶん違う)。次はストリングスが聴こえてきた。ストリングスはなぜこうも華美な印象をもつのだろう。醜悪なストリングス、というのは想像が難しい。いつかきったねぇストリングスの曲をおれがつくろう。ピッチが上げられたポップスのワンシーンが連続していく。ある程度聴いていて思ったんだけど、これはアルバム単位で聴かないといけないものなんだろうと感じる。これは長編小説なんだ、と思う。ぱっときいてよくわからん曲だな、となるものがひたすら並んでいる(おれにとっては…)。でもアルバムで聴いていると、全体の起伏みたいなものが見えてくる、いや、見えないけど、フラットだったシーツからじわじわ浮かび上がってくるみたいな感じがする。思えば、1曲目のタイトルがアウトロな時点で、これはアルバムとしてバッチリ構成を考えてますよ~っていうことは明示されていたんだな、と思う。あとはのんびり聴こうとおもうので、ここまで読んでくれた方が居た時のために、個人的に印象の似ているところがある音楽をふたつ書く。ひとつ、マイルスデイビスのビッチェズブリュー。なんかよくわからないものがうごめきつづけている、というところが近い(ジャズの感性が非常に鈍いリスナーによる意見です)。あと、finis africaeというバンド。このバンドはめちゃくちゃ謎のバンドで、洞窟でライブをしたり手製の楽器を使うらしい。よく知らない、全部間違ってたらごめん…でもおすすめです。その音楽に触れた時の異様な熱という点がこれも近い。なんかよく分からない熱にうなされたいような気分のときに、また「Donut」を聴きにこよう、と思う。というか、Donutを聴いていると、なんかよく分からない熱にうなされたいような気分になるんだな。とおもいました。終(そういえばヘッドフォンて書く機会なかったな……)