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悪魔崇拝

ミントクラゲというバンドの作詞作曲・ギターボーカルをやっている高橋さんと時々に遊ぶようになった。おととい会ったときは「敬語やめません?」と敬語で言われて、おれは「そうですね、やめましょう」と敬語で返事をした。高橋さんの方が一個上なんだけど、そういう感じで接してくれるので、おれは(やさしい…)と思った。

 

その日はさとこも一緒だった。三人で新宿の「豚珍館」に行って、肉厚なトンカツを食った。それから、もう少し話せたらなあと思ってサイゼに寄った。新宿エルタワーとか言う魔の斜塔のクソ分かりづらい入り口の奥深くにそのサイゼはあった。斜塔味のドリンクバーを啜って、もうしばらく話をした。さとこはミントクラゲの新しいCDを持参して来ていて、歌詞カードを眺めながら、面接官みたいにあれこれ質問していた。おれが高橋さんの立場だったら少し恥ずかしいなあ…でも高橋さんは懇切丁寧に解説してくれた。おれも、
(高橋さんはやさしいからだいじょぶだろう…)
と思い始めて、結局訊いてしまった。

「この曲の歌詞の『関東一本締めで終わった地球』ってなに…?」

一部引用すると、その曲の歌詞はこんな感じだ。

 

関東一本締めで終わった地球を背後に
パラパラを踊りまくるうつ病患者
万歳三唱したって独居老人たちは
アキラ・クロサワをみて生き絶える

世紀末インベイジョン

 

高橋さんは言った。
「それは、だから…パーンってやってバーンみたいな感じだよ」

 

このブログは高橋さん本人も読む気がするので、あんまりベタ褒めするのもなんかアレだなとは思うのだけど、こんなに好奇心に訴えかけてくる言葉の選び方をする人は他にいないと思う。ILLなニッポン語の工場に手足を生やして文学棒をブン回してるような人だと思った。

 

帰りがけ、おれたち白いベランダが一番最近つくった歌を高橋さんに聴いてもらった。砂糖にシロップをかけたようなベッタベタのラブソングだけど、高橋さんはバカにしないで聴いてくれた。家族とのんちゃん(同居している友達)以外で初めて人に聴いて貰った上に、しかもそれが高橋さんだということでおれはかなり嬉しかった。楽しくていっぱい話してしまったので、次の日の仕事は三十分くらい遅刻した。

 

うれしかったです。

 

おわり