避妊具の年齢確認で思ったこと
コンドームを買うとき、店員さんがなんとも気まずそうに、
「すみませんが、学生さんじゃないですよね?」
と訊いてきた。おれが自分は成人していると告げ、何か身分証を出しますか?と言うと、
「いや…ちょっと上の者に訊いてくるので待ってて下さい」
と言ってどこかに行ってしまった。待つことニ分。
(『成人してなさそうな人がコンドームを買いに来たんですが…身分証を見せてもらった方がいいですか?』)
とか話したのだろう、店員さんは戻ってきて、
「身分証は大丈夫です」
ということになった。店員さんは何か奇妙なものを見るような目でおれの顔を覗いていた(気がした)。
おれは別にかわいらしい顔立ちをしている訳ではないのだがひたすら背が低いので、それが如実に反映されたような体験をすると、改めてすこし傷つく。
実際に十代の学生がコンドームを買いに来た場合に、断ってしまったらどうなるか?たぶん学生はコンドームを使わない避妊法を考えてセックスをする事になる。そうすると性病のリスクや妊娠のリスクが出てきてしまう。それなら、こんな若い子が…というのは保留してひとまずコンドームを売ってしまった方がいいよね、という事になる。たぶんコンドームを売る機会のある人たちはみんな、大体こういうことを考えるんだろう、と思った。
性病や望まない妊娠を減らすには、子供にコンドームを売ったほうがいい。不潔な注射針で感染症に罹る薬物中毒者を減らすには、国が清潔な注射針を配ったほうが良い(実際にそうしている国もある)。それは妥当だけど、受け入れたくない人もいるだろうな、と言うことな気がする。そういう人たちが柔軟になればなるだけ、世の中は良い方向に動きやすくなるのかな、と思う。逆に、無思考の正解を求める人たちが増えたら、ナチスやオウム真理教のようなものが力を持ちやすくなってしまうのではないかと思う。